星の数ほど

星の数ほど

語彙力がないオタクの備忘録

あかりの湖畔






とても丁寧で、繊細で、それでいて心動かされる
綺麗な風景とささやかな日常が描かれていた




劇的、ではなかった
自然に囲まれて暮らす家族の
ほんのささいな日常を丹念に描く
その中で起こる葛藤や悩みは等身大で
強いフィクション性を感じなかった




海街diaryみたいな感じかなと思った
ちょうど三姉妹だし
ちゃんと描かれてるからこそ克明に表情が見えるし
小さな描写の中に表したい何かがあるように思えて
現代文の問題がたくさん作れそうな作品だなと思いました
硬すぎず柔らかすぎず丁度いい文体
初見の作家さんだったので
最初の方は表現に慣れなくて戸惑ったけど
馴染んでしまえばとてもよかった




灯子の感情が手に取るように分かるところもあったり
悠とか花映の年齢が伺えるような話し方もよかった
母親の前ではみんな等しく子どもっぽくなったりして
そこがまたいいなと思った
主人公達だけじゃなく脇を飾る人々もちゃんと魅力的だった
でもちょっと、母親のことは理解できないというか
あっさりしすぎなんじゃないかなぁと思ってしまった
そこをもう少し描いてたらどうなってたんだろう




この作品、とても映画向きだと思います
めちゃくちゃ映像がはっきり見えたもんなぁ
容姿もちゃんと書かれてるからキャスティングしやすそう
もし映画になったらそれはそれで
海街diaryのパクリ」とかなんとか
言われる未来まで見えるけど......




ミステリの箸休めとしてはとてもよかったです
普段読書する時は
夢の中にいるような心地になることが多いんだけど
これはちゃんと地に足つけて読めたと思います
ゆっくり落ち着いた気持ちで読めたかな







2018/05/31~06/04