星の数ほど

星の数ほど

語彙力がないオタクの備忘録

毎年、記憶を失う彼女の救いかた








よくある題材だな、とは思っていた。
記憶を失った人に対して、どうアプローチするのか。その結果どのように転がっていくのか。二次創作感の否めないこの設定に、どう色がついていくのか、ほんの少しだけ楽しみにしながら読み進めていた。






結論を言えば、可もなく不可もなく。及第点より少し上の65~70点、といったところだろうか。初めての作家さんにしては読みやすかったのだけれど、あまりにも引っ掛かりがなさすぎたと思う。物語の起伏があまりないように感じた。全体的にふわっとしてると思った。中途半端だとも言い切れないふわふわ感。芯がない感じ?



少し伏線が分かりづらかったな、と思う。あまりにもさらさらと日常が流れてて、どこが不自然なのかも掴みにくかった。これはあまり記憶に残らない小説だなと思う。筋にインパクトがないから。伏線というかただの思わせぶりにも感じた。



リアリティを出そうとしていることは随所から伝わってきた。実在する施設がたくさん出てくるし、実際に景色も描かれている。それでもどこか、作り物感が拭いきれなかった。何だろうこのモヤモヤは。
(静岡に行ったらぜひ行きたいと思ってる『さわやか』、出てきた時に少しテンションが上がった。)



何度も涙腺がゆるみそうになったのは何だったんだろうなぁ。よく分からないけど、泣きそうになる場面がたくさんあった。それだけの瑞々しさがあったということなんだろうけど、感動や悲しみではないんだよなぁ。雰囲気だったのかもしれない。



過去のデートを再現しているというのは意外性があってよかったと思う。純粋に驚いた。そして彼が一日しか記憶を保てないということにも。(またベタベタな手垢を残してきましたな、とも思ったけど。)双方に障害ありというのは、ド定番ですよね......。



終わり方なんだけど、これでいいのか不安が残る。もやもやする。前に進むというのがどういうことなのか、成長するって何なのか、私にはよく分からないけど、この二人はずっとその場で足踏みして生きていくんだろうな、という想像しかできない。お互いにいい影響を受けて生きていけるのかな、忘れちゃうのに。(こう考えてる時点でこの小説のメッセージを上手く受け取れてない感じはする。なんとなくだけど。)



多分私は、もっと角のある話が好きなんだろうなと思う。例えば、事故った車内の場面がもっと凄惨だとか、天津さんの過去をもう少し詳しく書いてどうしようもなく可哀想にするとか、そういうものを求めていたのかもしれない。丸くふんわり収まってしまっているから、インパクトがないと思っているのかも。もっとひどい描写があれば泣けたのかもしれない。なかなか残酷な考えだけれども。
あとは、ケータイ小説っぽさがあったなと思う。恋空とか、赤い糸とか、天使の恋とか、そういう。そこを突き詰めるならそうしてほしいというのが『もっと酷くしてほしい』という感想に繋がっているのかなと思う。ラノベケータイ小説の間みたいで、どっちつかず。







普段本をあまり読まない人には勧めてもいいかもしれない。実写映画かアニメ向きなのかなとも思った。(映画だと雰囲気が『君の膵臓~』と被るかもしれない。)







結構めちゃくちゃな感想になった。まとまらない。~かもしれない、ばっかり。本に引っ張られて感想までふわふわしてしまった。







2018/10/15~10/16