星の数ほど

星の数ほど

語彙力がないオタクの備忘録

りさ子のガチ恋♡俳優沼

 

 

 

 

 

 

これは自戒、自戒の書だ。

 

 

 

 

 

 

書初め、かなりいい本を読んだ。めっっっっちゃくちゃ面白かった。俳優オタク、ジャニオタ、とにかく3次元の推しがいる人は読んだ方がいい。共感できる部分が絶対にたくさんあるし、多分、誰にでもこうなる可能性はあると思うから。

そして、たくさん共感できる人こそ、この本を自戒とした方がいい。私はする。

 

 

 

 

 

 

手に取った理由は、舞台の再演ツイートを見たから。まずタイトルに衝撃を受け、あらすじを読んで興味が湧き、原作があるのを知った。せっかくだから読んでみて、舞台の抽選に応募するかどうかの判断材料にしようと思った。

 

 

 

もう一文目から首もげるほど頷いた。舞台が終わって日常に帰らなくちゃいけない切なさも、舞台はナマモノだから何回でも通いたいという気持ちも、全部よく分かる。特に第一幕のりさ子のモノローグは、ほぼ全て共感・理解できるなと思った。

どんどん、同化していく気分になった。読んでる途中で何度も「あれ、これ私が書いたんだっけ???」と錯覚しそうになるくらいだった。推しに対する感情も、ほぼそのまま私だった。

 

 

 

プレゼント選別、現実味あって悪い意味でドキドキした......。私たちには決して見えない、舞台裏。そりゃ手作りのお菓子とか普通に捨てるよな......。そもそもプレボに食べ物入れる時点であまり常識がない気がする。スタバのカードがめちゃくちゃ嬉しそうでリアルだった。やっぱり欲しいのは金券ですよね。

そしてこのモノローグ、翔太くんのではなく、ライバル俳優の悠くんのものである。なかなか人間くさいというか、邪心や野心に燃えてる子だと思う。

肝心の翔太くんはモノローグでは出てこない。語り手にはならない。そこがこの小説の上手いところだなぁと思う。りさ子がこんなにも愛してやまない翔太くん、修羅場での台詞こそたくさんあるものの、心の中で何を考えているのかは一切見えない。想像するしかない。翔太くんが本当は何を考えてるかなんて、誰にも分からない。まさに読者の心理=ファンの心理になっていて、とても上手い。

 

 

 

それにしても愚痴垢怖すぎん? SNSの使われ方・炎上や拡散がリアルすぎる。Twitter、翔太がきてたパーカーとかお菓子とか、特定班怖すぎて逆に笑った。でもまぁ私も写真の細かいところチェックするから、人のこと言えないところはある......。愛の深さゆえか、執着心が生まれて隅々まで見たくなる。それが時には揚げ足取りになることだってある。

 

 

 

愛で推すのは分かる。

もし私が何かプレゼントして、それを使ってくれてるって分かったら、もっともっとって欲が湧いてきそうだなと思う。それこそ値段がつり上がっていくだろうし、エスカレートしていくのは目に見えてる。認めてもらえてるって気にもなるかもしれない。(うーん片鱗が......。)

私は、せっかく大事に選んだものを、目にも止められずに捨てられるかもしれないのが怖いから、プレゼントできないなぁと思う。何を気に入ってもらえるか分からない博打的な部分があるから、それなら何もプレゼントしない、という結論になってる。

あとやっぱりLove is money.で、相手にお金をどれだけかけたかで愛を測ったりするんだろうな。茶の間はダメとかもそうでしょ。現場に行ってお金落としてなんぼ、みたいな。分からなくはないけど、やっぱり多様な推し方を認める方が平和に過ごせると思う......。

 

 

 

お手紙にストーカーの片鱗が出てた。ドトールの同じ席に座ってます、ってところ。ドン引きした。

この絶妙な気持ち悪さの手紙、思いっきり身に覚えがあって肝が冷えたというか、ちょっと冷静にならざるを得なくなった。自分のことを書き連ねて、知ってほしいという気持ちが全面に出てる手紙。私もこんな感じの書いてるなぁ......客観視したらだいぶ気持ち悪い......。さすがに太陽だとか、大好きですとは書いてないけど、似たようなもんだしなぁ。舞台の感想とか、SNSの更新についてとか、応援してますって。それ以外に何を書けばいいか分からない。気持ち悪くならないお手紙の書き方、教えてほしい......。

 

 

 

職場の人にバラすから、変な感じでいじられるんだよ......。特に女は「女同士仲良いですよ♡」アピールみたいなのをしなきゃいけないじゃん多分。いや知らないけど。一人だけ中に残して、他の子と外でお昼食べてたら上司に「仲良くしてやれよ」とか言われるんじゃないの?知らないけど!そんなところありそうじゃん! 一緒にご飯食べたらそれで適当な聞き方するし、たいして興味もないのに聞くなよ......と思うよね、こちら側からしたら。

時間を換金するために仕事をしているというのはとてもよく分かる。とりあえず働いて、お金もらって、それを趣味に充てる。存分に休暇を楽しむために渋々働いてるって感じ。好きなことを仕事にできるのは羨ましい。推し事が仕事になればいいと思うけど、仕事がそんなに甘くないことも分かってる。世知辛いねぇ......。

彼女はきっと、拠り所が俳優しかない。劇場が居場所だと言ってるんだから。仕事は時間を換金するためにやってることだし、なるべく生活を切りつめてお金は推し事にまわしたい。

そこだと思う。狂気的になるかどうかは、拠り所の数なのではないかと。拠り所というか依存先というか。私はまだ他にもあるから大丈夫......(りさ子みたいにはなるまいと思って安心したい)。

転売によって「この俳優はこの値段でも売れると、価値を上げられていること」に鼻が高くなるという考え方、完全に目から鱗だった。オンされた金額を人気のバロメーターとして考えるの、あまりにも斬新すぎるでしょ。そう捉えるのか......。ただ転売ヤーが得したいだけなのにねぇ。抽選落ちた時に「私と翔太くんとの仲を引き裂く~~」とか言ってるあたりはだいぶヤバイなと思いました。いくら落ちたのがショックだとはいえ、そういう思考になってるのがこの人おかしいなと......。

 

 

 

基本的にるるの性格とか行動が受け入れられないなぁ......。過去作の打ち上げに約束もなしに参加するとか、普段の喋り方とか、匂わせも。自分の彼氏が俳優の瀬川翔太だって知らしめたくて仕方がない。自慢したい気持ちが溢れ出てる。秘密の恋だから余計に舞い上がったりもするんだろう。匂わせに関しては、修羅場で、たった数行の地の文で本人の気持ちが書いてあった。るるの心情が克明に描かれていて興味深かった。ファン心理としては、匂わせない女の子を選んでほしいと思うけど、こればっかりは付き合ってみないと分からないから難しいよね......。

職場で、オフ会で、いろんな人に話を聞いてもらうことで、いろんな言葉をもらうことで、りさ子は混乱していく。ガチ恋なのか、そうじゃないのか。ガチ恋だと認めたくない気持ちもある、(自分の子どももいないのに)親目線だって言っていたい、推しに夢を見ていたい。いろんな気持ちがないまぜになっているけど、言葉にすると「好き」にしかならない。複雑な感情が、どんどん彼女を狂わせていく。

 

 

 

認知されてると思っていたけど、されていなかった。これが一番きつかったんだと思う。匂わせ彼女への鬱憤もあるし、愚痴垢から流れてくるディスにもイライラが募っているその時に、たった一つの支え・希望である推しから言われたのが「はじめまして」。何度もイベントに足を運んでいるのに、舞台だって見に行ってるのに。

賢護さんの引退の理由も絶対りさ子でしょ。明記せずに想像させるだけっていうのも上手いと思うけど。知ってほしかっただけ......。

あと、この小説には描かれていないことが多い。特にりさ子の過去とか。自分には何も作り出せない、そういう才能がないと言っていたけど、どこでそういう経験をしたのかが知りたかった。

 

 

 

第二幕、急にりさ子が出てこなくなる。第一幕で奈落の底に突き落とされたようだったから、水面下で何かしてるんじゃないかと不安には思っていた。ストーカーの影は絶対りさ子だと思ってたし、本性をあらわしたというか、ついにそこまできたか、という気持ちになった。

るるの反撃が始まったとき、どうしてそこまでするんだろうと思った。自分の気持ちが収まらないからとはいえ、るるもかなりアグレッシブな子なんだなぁと思った。ストーカーの家突き止めて会いにいく? 何されるかも分からないのに、その行動力がすごい。

てか翔太くん認知してたの????手紙探した時に「おとなしい子だよ」って言ったよね???マジで???チェキ会ではいつもと違う服きてたから気づかなかっただけなの???順番がいつもと違ったから????ハイタッチで握られたかどうかは知らないけど、認知してたのは驚き。やっぱり出待ちの成果なんでしょうか……。

しかしなんで出待ちなんてするかなぁ.......。舞台終わったその瞬間からもう現実で、彼らもプライベートに戻るのに。そこにまだ観劇気分やキャラへの気持ちを引きずって出待ち突撃するの、よく分からない。

翔太くんがるるのどこを好きになったのか気になったけど、それをもしあの修羅場で言ってたら確実に刺されてたよな。よーく言葉を選んで諭してたと思う。

 

 

 

エピローグの、冒頭と全く同じ文章なのに対象だけが変わってる不気味さ、本当にやばかった。ホラー読んでるかと思うくらい寒気がした。

りさ子があっさりと推し変するの、あまりにも怖すぎてダメだった。すっごい、包丁握りしめて脅してたのにそんなあっさり変えられるんだ?しかも、るるが「可愛いから付き合えてる、選んでもらえてる」って言ったから、それを真面目に受け取って整形しちゃうの、恐ろしすぎる......。まさに『ガチ恋俳優沼』、俳優沼にハマりきってしまって抜け出すことすら考えずに転々と推しを変えていく。狂気だ。

セフレ作りまくってた彼は、りさ子に引っかかってしまうんだろうか。その後が知りたいけど、怖いな。

 

 

 

 

 

読書感想文というか自分語りになってしまった。いつも以上に文章がめちゃくちゃ。

 

 

 

 

 

りさ子の何が怖いって、ファン心理の悪い所が詰まってるところなんだよな。自分の都合のいいようにしか物事を捉えられなくなってるし、視野は狭い。自己完結してる。(全部ブーメランで返ってきそうで怖い。)

りさ子自体が怖いのはもちろんだけど、それ以上に「私の中にりさ子の、やばいやつの、ストーカーの片鱗があるのではないか」という気持ちに支配されてしまって、そっちの方が遥かに怖い。りさ子みたいになってしまう可能性はゼロではない。どこでストッパーが外れてしまうかなんて、誰にも分からない。全通しないから、プレゼントしないから、出待ちもしないから、りさ子みたいにはならないって思ってるけど、そんなの分からないじゃないか。

一応今の推し事のスタンスは、お友達のアリスちゃんと同じ。人それぞれ好きに推せばいいんじゃない? 無理はしない方がいいよ。という感じかなぁと。これをずっと持っとかないとりさ子みたいに暴走しそうなので、守っていきたいなと思う。

 

 

 

翔太くんいい子すぎてダメだ。フォロワー6万人超えててランダムリプ返祭りするの???すごいなそのサービス精神。あの修羅場で説得する?良心の塊かよ。いい子すぎ。

というか翔太くん以外のところで問題起こって舞台が散々になってるの、めちゃくちゃ可哀想。翔太くんにも一因あるけど、ゴタゴタ起こりすぎでしょ、内部。芸能界ってどうしても惚れた腫れたで問題が起こってしまうもんなぁ......。

解説の、俳優はアイドルじゃないから恋愛なんて自由、って言葉には、正直はっとさせられた。確かに赤の他人の私がそこまで踏み入る権利なんてどこにもない。でも気になるのも事実。こじらせてるな......。

 

 

 

読む前は冷やかし半分だったのに、読んでみたら身につまされる思いしかしなくて本当に怖い。もう読む前の私には戻れない。自分にもりさ子の欠片があるのではないかという恐怖に怯えながら、私は推し事を続けていくのだろう。読んでよかった気持ち半分、読まなければよかった気持ちも半分。一生懸命、りさ子と違うところを探して「私は違うからあぁならない、大丈夫」って自分を慰めないといけなくなってしまった。

読む前は、舞台に応募してみて当たったら行こうかな、なんて呑気なこと考えてたけど、今はもう怖すぎて無理。だって構図が……。この舞台の観客はきっと「ガチ恋」「俳優沼」って言葉に引っかかって来るはずで、どう考えても俳優やその他推しがいるオタクが集まるんでしょ。そして観るのはこの内容、控えめに言ってもやばすぎ......。観劇したあと精神的に死なない? 私はきっと色々抉られて立ち直れなくなると思う。

 

 

 

推しぴっぴ好き好きエントリ♡なんて書いてしまう程度には、推しのこと好きなんですよ。それがガチ恋なのか、もう分からなくなってきた。いや最初から分かってないけど、さらに迷路に入り込んだような。何?ガチ恋って何?これ読んだら分かるかと思ったけど逆に分からなくなった。

少し前、私にとって推しは何なんだろうと考える機会があった。その時に出た結論は「神様」だった。彼の行動や言葉の端々から人間らしさを感じているにも関わらず、どうしても生身の人間だと思えないところもある。舞台という、どう頑張っても手の届かない場所にいるからかもしれない。演技をしている姿も、歌ったり踊ったりしているのも、キラキラしていて素敵だと思う。私には絶対に真似のできない、素晴らしい仕事に従事している神様。

私は推しに幻想を抱き続けたいのかもしれない。でも、理想的ではない推しの姿を見て幻滅することがある。だって彼は神様ではなく人間なのだ。自分の好き勝手には動いてくれない。当たり前のこと。なのにどこかで、ずっと私の理想を保ち続けてほしいという気持ちを持っている。ほんとに、オタクって厄介だな......。

この小説を読んで、また価値観が変わったのかもしれない。結局、私にとって推しとはなんなのか、また分からなくなってしまった。推し事しながら探していきますか......。

 

 

 

 

 

 

いつもならもっと冷静に、客観的に読めるのに、あまりにも私の事だと思いすぎて、のめり込むように読んでしまった。描写が的確すぎる。こんなに貪るように読んだのは久々だった。

文章が全然難しくないし、このタイトルに興味を覚えた人向けの内容だから、無駄な説明が一切ない。それが余計に読みやすかった。もうちょっとライトな感じを想像してたから、いい意味で裏切られた。大満足。LINEとかTwitterとか雑誌記事の差し込み方、なかなか新しい。またその文面がかなり精巧に作られていて、よく研究してるな......と感心しきりだった。

 

お金は有限なのに、愛は無限にわき出てくる。

ファンはファンという集合体でしかない。

業界内恋愛は、いわばオフィスラブ。

 

このあたりの言葉が好きでした。改めて考えさせられる内容だった。これからの推し事、気を引き締めていこう。

 

 

 

 

 

2019/01/09~01/11